24時間換気がいらないと言われる5つの理由|止めていい家と危ない家

住宅の壁に取り付けられた24時間換気の給気口 断熱・窓リフォーム

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・冬は給気口から冷たい風が入るので、いっそ止めてしまいたい
・24時間換気を切ると違法になるのか、はっきり知りたい
・つけっぱなしの電気代がもったいない気がしている

現場では、換気扇はきちんと回っているのに、壁の給気口だけを塞いでしまっているお宅をよく見かけます。
せっかくの設備が働いていないのは、正直もったいないと感じます。

スイッチが切ってある家は体感で1〜2割ほど。
給気口を閉めている、家具で隠れている、フィルターが詰まって吸えていない家まで含めると、3割から5割はあってもおかしくないという感覚です。

多くの家は、止めたつもりがないのに換気が効いていません。

結論として、24時間換気は「切っていいか」より「入口が開いているか」で見るほうが実害を防げます。
・法律が義務づけているのは設置で、運転を止めた人を罰する条文はない
・止めた家は、北側の収納や家具の裏など空気が動かない場所からカビが出る
・給気口だけ閉じると、家が負圧になって玄関ドアが重くなる
・寒さは空気の温度ではなく、風の向きと風速を変えると収まることが多い
・2003年6月より前に建った家には、そもそも付いていないことがある

24時間換気は止めていいのか?

住宅の壁に取り付けられた24時間換気の給気口

法律が求めているのは給気口と換気扇を「付けること」で、スイッチを切った人を罰する条文はありません。

住宅の居室には、1時間あたり0.5回以上の換気ができる設備を設けることが建築基準法で決められています。
いわゆる24時間換気で、2003年7月1日以降に着工した建物から適用されました。
(出典:国土交通省「建築基準法に基づくシックハウス対策について」

この決まりは建材のホルムアルデヒド規制とセットで組まれています。
使ってよい建材の制限と、空気を入れ替え続ける設備の2本立てで室内の空気を保つ設計なので、片方だけ外せば前提が崩れます。

公営住宅の入居案内で「常時運転してください」と書いている自治体もありますし、賃貸なら契約で運転を求められている場合もあります。

やむを得ず一時的に止めてもよいと判断できる場面もあり、代表的な例は次の通りです。

  • グリルやフィルターを外して掃除するとき
  • 台風や強風で、外部フードから風が吹き込むとき
  • 近所の煙やにおいがひどく、外の空気を入れたくないとき

時間としては、最長半日程度が目安になります。
戻し忘れたまま季節が変わってしまうということもよくあります。
冬に切ったスイッチは、梅雨に入る前に一度確認しておきましょう。

24時間換気がいらないと言われる5つの理由

住宅の内窓

24時間換気を止めたい理由はいくつかあります。
この章では、主な理由5つを紹介します。

冬は給気口から冷たい風が入る

日本の住宅で多い第3種換気は、機械で排気して壁の給気口から自然に外気を取り込む方式を採用しています。
そのため、外が5℃なら5℃の空気がそのまま入ってきてしまいます。

給気口の穴の位置次第で体感は変わってきます。
たとえば、ベッドの頭側やソファの背中側にあると体に当たり続けるので、「エアコンを強くしても寒い」という話になりがちです。

対策としては、給気口の位置を考慮した家具配置にすることがおすすめです。

ファンと給気口の音が気になる

音の種類で、原因が分かれます。

  • 「ゴーッ」→フィルターやグリルの詰まり
  • 「ガラガラ」「キーン」→軸受けやモーターの寿命
  • 「ヒュー」→給気口やサッシの笛鳴り

よくある相談としては、寝室の枕元にファンや給気口があるケースが多いです。
「換気扇がうるさい」と呼ばれて行ったら、半分閉めた給気口が鳴っていた、ということも。

上記のような音で気になる方は、一度給気口を確認してみましょう。

電気代がもったいなく感じる

トイレや洗面所のパイプファンは、1台あたり数W程度です。
3Wとして24時間30日回すと約2.2kWh、1kWhを31円で計算すると月70円ほどになります。

家中で3台動いていても月200円台。
熱交換のついた第1種はこれより上がりますが、暖房を1時間よけいに使うほうが高くつく場面は多いです。

回していても、効いている実感がない

24時間換気は、2時間かけて部屋の空気が1回入れ替わるくらいの弱い風量で設計されています。
風を感じないのが、正常な状態です。

一気に入れ替えるのではなく、静かに流し続けて湿気とにおいを溜めない設備なので、問題ありません。

給気口から虫とほこりが入る

道路側や駐車場側に給気口があると、砂ぼこりや排気のにおいが気になります。
小さな虫が怖くて閉めた、という方もいます。

給気口のフィルターは消耗品で、花粉やPM2.5に対応したものへ交換できる機種もあります。
自宅に合ったものを検討してみるのもおすすめです。

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24時間換気を止めた家で起きる4つの問題

クローゼットの内部

止めた家で最初に症状が出るのは、北側の収納や家具の裏など、空気が動かない場所です。

北側の窓と押入れにカビが出る

典型は北側の寝室の外壁側、それも家具の裏です。
次いで押入れの奥の角、マンションなら北側洋室のコンクリート壁、サッシの下端に出ます。

表の壁紙はきれいなのに、収納を開けた瞬間にカビ臭いというケースもあります。
空気が動かない場所から先に症状が出るためです。

ただし、カビの原因を換気だけに求めるのは危険です。
現場では断熱の欠損・漏水・室内干し・加湿器の使いすぎもあわせて確認します。

心当たりのある方は、まず北側の収納の奥を確認してみましょう。

においが家の中に残る

24時間換気は、居室に入った空気を廊下を通してトイレや浴室の換気扇へ送り出す流れで組まれています。
そのため出口を止めると、においは家の中を回り続けます。

トイレ、ペット、前の晩の調理のにおいが代表的です。
住んでいる本人は慣れてしまうので、外出から帰った瞬間や来客の指摘で気づくことが多いです。

消臭剤を足す前に、トイレと浴室の換気扇が回っているか確認してみましょう。

内装を替えた直後の部屋こそ止めない

壁紙の張り替えや床の上張り、新しい家具を入れた直後は、接着剤や建材から出る成分がもっとも濃い時期です。
工事の直後が、いちばん換気の要る時期になります。

それなのに、工事中にほこりを嫌ってスイッチを切ったまま、うっかり戻し忘れているお宅をよく見かけます。

リフォームが終わった日は、スイッチを入れ直すところから始めましょう。

給気口だけ閉じると、ドアが重くなる

第3種換気で給気口を閉めると、排気だけが動いて室内が必要以上の負圧になります。
換気扇は、入口を探して家じゅうのすき間から吸い始めます。

実際に出やすい症状は次の通りです。

  • 玄関ドアが開けにくい
  • サッシのすき間が「ヒュー」と鳴る
  • レンジフードを強にするとさらにドアが重くなる
  • レンジフードの吸い込みが弱い
  • コンセントまわりから冷気が入ってくる

「排水口がゴボゴボ鳴る」という症状も起きますが、まず疑うべきは排水管の通気不良やトラップです。
負圧が強い家では症状を後押しすることがある、という程度に考えておきましょう。

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24時間換気が効いていない家の特徴

一戸建て住宅の外観

回っているのに効いていない家は、壁の給気口を見れば分かります。

自分の家で確かめる4か所
  • 壁の給気口のツマミが「開」になっているか
  • 給気口の前に家具や厚手のカーテンがないか
  • 室内ドアの下に1cmほどのすき間があるか
  • 外壁に出ている換気フードが詰まっていないか

4つのうち1つでも欠けていると、換気扇が回っていても計画どおりに空気が流れません。
築年数や住まいの種類によって、つまずくところは変わります。

2003年6月より前の家には付いていない

シックハウス対策が適用されるのは2003年7月1日以降に着工した建物です。
判断の基準は着工の時期で、確認申請の日付や完成日だけでは決まりません。

それより前の家には、そもそも設置の義務自体がなく、今すぐ違法になるわけでもありません。

見分け方は簡単で、居室の壁に丸い給気口があるか、スイッチに「常時」の表示があるかを確認します。
どちらも見当たらなければ、換気扇はあっても24時間換気ではないと考えてよいでしょう。

給気口が閉じていれば、回っても効かない

換気扇にティッシュが吸い付くから大丈夫、という確かめ方をよく聞きます。
ただ、それで分かるのは排気側だけです。

私は、吸っているかより、流れているかを見るようにしています。

確かめるなら、居室の給気口にティッシュを近づけてみてください。
まったく動かないなら、ツマミが閉じているか、フィルターが詰まっているか、外部フードが塞がっているかのいずれかです。

異音がしてきたら、寿命が近い

換気扇は消耗品で、10年から15年を超えると交換の話になります。
メーカーも設計上の標準使用期間を15年前後としています。
(出典:三菱電機「換気扇の取り替え目安」

年数以上に当てになるのが音の変化です。
音が変わったら、掃除では戻りません。

「ゴー」が「ガラガラ」「キーン」に変わった、羽根の回り始めが遅い、焦げくさい、本体が異常に熱いなら、交換を考える段階です。
使用開始から15年前後で異音が出ているなら、モーターだけ直すより本体ごと交換するほうが安く収まります。

マンションはレンジフードを回すと分かる

マンションで手軽に確かめられるのが、レンジフードを強で回す方法です。
玄関ドアの重さが、給気の目安になります。

極端に重い、開けた瞬間に音を立てて閉まるようなら、入ってくる空気が足りていません。
調理のときだけ給気口を開ける、同時給気型のレンジフードを検討するなど、打つ手はあります。

ドアが重い状態を「マンションだから仕方ない」と諦める必要はありません。

24時間換気の寒さと音を抑える方法

給気口から入った空気が居室・廊下を通ってトイレと浴室の換気扇から出ていく第3種換気の流れを示した図

寒さの相談は、給気口の風の向きと風速を変えるだけで収まることが多いです。

現場で見ていく順番
  • グリルを外して清掃する
  • フィルターの詰まりを見る
  • 給気口をすべて開ける
  • 外部フードの詰まりを見る
  • それでも直らなければ本体を疑う

この順で確認していくと、本体の交換までいかずに収まる家がかなりあります。

給気口のフィルターを洗う

フィルターが目詰まりすると、空気は残ったすき間から勢いよく入ってきます。
詰まった給気口は、風が速くなります。

同じ量の外気でも、狭いところを通れば冷たく感じ、笛のような音も出やすくなります。

多くの製品はカバーを回せばフィルターを取り出せます。
掃除機で吸うか水洗いして完全に乾かし、半年に1回を目安に手入れしましょう。
道路沿いの家なら、もう少し短い周期で確認するのがおすすめです。

給気口の風向きを上に変える

断熱型の給気口は、外の空気を暖める機械ではありません。
外気が5℃なら、入ってくるのは5℃の空気です。

そこを曖昧にしたまま交換すると、ほとんどの場合「まだ冷たい」と言われてしまいます。
効くのは温度ではなく、風の当たり方のほうです。

ルーバーを上向きにする、風向調整カバーに替えるだけでも体感はかなり変わります。
まずは今ついている給気口の向きを触ってみましょう。

切らずに、弱運転へ落とす

強弱の切り替えがある機種なら、冬のあいだだけ弱に落とす方法があります。
全部止めるのと、量を減らして流し続けるのとでは結露の出方がまったく違います。

それでも我慢できない場合は、給気口の位置を変える、エアコンの近くから給気させる、熱交換型の第1種に替えるところまで検討します。

給気口を完全に塞ぐ選択だけは、最後まで残しません。
塞げばその部屋は静かになりますが、家全体では入口を探してどこかから吸い始めるだけだからです。

給気口の前から家具をどける

模様替えのあとに換気の相談が来ることがあります。
背の高い本棚が給気口をふさいでいた、厚手のカーテンが窓ごと覆っていた、というパターンです。

家具を20cmずらすだけで変わることもあります。
逆に、寒いからとベッドを給気口の真下へ動かすと、翌週には「風が当たって眠れない」という話になります。

お金をかける前に、家具の位置と給気口の位置関係を見直してみましょう。

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24時間換気の交換・後付け費用の目安

住宅の天井に取り付けられた換気扇のパイプファン

パイプファン1台の交換は、既存の穴と電源をそのまま使えるかどうかで金額が決まります。
下の表は現場での実感値です。

工事の内容費用の目安
パイプファン1台の交換(既存の穴・電源を使う場合)1万5,000〜3万円
└ 本体5,000〜1万5,000円
└ 交換工事・出張・処分1万〜2万円
人感・湿度センサー付きにする場合上記+数千〜1万円
第3種換気を家全体に後付けする場合15万〜30万円
熱交換型の第1種換気に替える場合50万〜100万円

まとめて交換するなら1日4台から6台が目安です。
ただし見積もりの段階で「8台あるから1台30分」とは計算しません。

1台目を外したら壁の中のパイプが奥に落ちていた、外部フードが完全に詰まっていた、ということが普通に起きるからです。

金額が跳ねるのは、次のような場合です。

  • 既存の穴の径が新しい本体と合わない
  • 壁の中のパイプが脱落している、外部フードが詰まっている
  • 電源の新設やスイッチの配線変更が必要になる
  • 高所作業になる、壁を壊さないと本体が外れない

電源に直接つなぐタイプの交換は、電気工事士の資格が要る作業です。
コンセントに挿す機種でなければ、リフォーム会社か電気工事店に頼みましょう。

付いていない家への後付けについてもよく聞かれます。
壁紙の張り替え、床の上張り、洗面台やキッチンの交換といった通常のリフォームなら、家全体に24時間換気を付け直す扱いにはならないのが一般的です。

一方、間取り変更や耐震改修、階段の架け替え、全面的なスケルトンリフォームのように確認申請が絡む規模になると話が変わります。
既存不適格の扱いも工事範囲によって違うので、契約前に建築士へ確認しておきましょう。

気をつけたいのが、窓だけ新しくして換気は昔のまま、という改修です。工事直後は暖かくなったと喜ばれますが、気密が上がったぶん湿気の逃げ道が減り、翌年の冬に「去年までなかった結露が出る」という相談につながることがあります。

見積もりでは、本体の値段だけでなく給気口の交換や外部フードの清掃まで含まれているかを確かめてください。
台数と単価が分かれて書かれているかも、比べるときの目印になります。

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まとめ|24時間換気は、切るかどうかより給気口が開いているか

冬の冷気や夜の音は、我慢しなくても対処できます。
ただし、その解決策が「スイッチを切ること」では遠回りです。

・義務づけられているのは設置で、運転を止めた人を罰する条文はない
・止めたくなる理由は寒さ・音・電気代で、電気代は1台あたり月70円ほど
・止めた家は、北側の収納や家具の裏など空気が動かない場所からカビが出る
・給気口だけ閉じると負圧になり、玄関ドアが重くなる
・寒さは風の温度ではなく、向きと風速を変えると収まることが多い
・交換は1台1万5,000〜3万円が目安。異音が出て15年前後なら交換どき

換気の不具合は、換気扇そのものより空気の入口側に原因があることが少なくありません。
私も現場に伺うときは、スイッチより先に壁の給気口を確認するようにしています。

給気口を全部開けてフィルターを洗ったら、あれだけ気になっていた音がしなくなりました。

換気は、入口と出口がそろって初めて働く設備ですよ。止める前に、まず壁の穴を開けてみてください。

換気扇の交換や後付けは、台数と工事の範囲で金額の出方がまるで変わります。
同じ条件で何社かに出してもらい、含まれる工事の中身まで並べて比べてみてください。

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