内窓のデメリット4選|二重窓で後悔しない選び方を建築士が解説

樹脂製の内窓を取り付けた明るい窓辺 断熱・窓リフォーム

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二重窓にすれば暖かくなるって聞いたけど、後悔しないかな…
1か所だけ付けたのに、思ったより寒いままで…

二重窓(内窓)は、今ある窓の内側にもう一組の窓を付けて、断熱や防音、結露対策をねらうリフォームです。

私が内窓の見積もり前に確認するのは、性能の説明より先に、その窓を1日に何回開けるか、同じ部屋に未対策の窓やドアが残るかです。

製品の性能だけでなく、使い方、施工範囲、ガラス仕様、取付け奥行きのどこかが目的とずれると、手間や費用への不満が残ります。

内窓1か所でも、その開口部の断熱・気密性能は改善できます。ただし部屋全体の体感は、残る窓・玄関・壁・床などの条件でも変わるため、1か所の効果と部屋全体の効果を分けて判断してください。

二重窓(内窓)でよくある後悔
・窓の開け閉めと施錠が二度手間になる(毎日使う窓では負担を確認)
・1か所だけ付けて、部屋全体が暖かくならない
・外窓との間の掃除が面倒
・窓台が狭くなり、カーテンや家具と干渉する
・補助金を使っても、思ったより自己負担が残る

手間・効果・納まり・費用の4つに分け、最後に現地調査で測る寸法と判断順を示します。

二重窓で後悔する理由【よくある失敗】

樹脂製の内窓を取り付けた明るい窓辺

確認したいのは、開閉と掃除、断熱・防音、窓まわりの納まり、付帯工事の4点です。

窓の開け閉めと掃除がひと手間増える

私が最初に確認するのは、毎日の開閉回数です。内窓を付ければ、操作する窓と鍵が増えます。

内窓を付けると、窓を開けるたびに内窓と外窓の2枚、鍵も2か所を操作することになるからです。

洗濯物を干すたびに掃き出し窓を二重に開けたり、シャッターを閉めるために毎晩2枚を動かしたりする家では、この手間が地味に効いてきます。

外窓と内窓の間は奥まるため、掃除道具を入れられるか、内窓の障子を外せるかも確認します。

掃き出し窓は、洗濯・換気・庭への出入りと、1日の開閉回数を数えてから採用を決めます。

思ったより断熱・防音の効果を感じない

断熱・防音は、内窓を付けた開口部だけでなく、部屋に残る熱や音の経路で体感が変わります。

内窓は暖房器具ではなく暖房した熱を逃がしにくくする工事なので、室温そのものが大きく上がるわけではありません。

とくに、同じ部屋に窓が何枚もあるのに1枚だけ付けた場合や、玄関や吹き抜けから冷気が入っている場合は、効果を感じにくくなります。

防音も、車の走行音のような音は軽くなりやすい一方、換気口や壁から回り込む音、重低音は残りやすく、期待どおりにいかないこともあります。

「窓を替えれば家じゅうが暖かくなる」と思っていると、ギャップが大きくなりがちです。

窓枠の出っ張りで部屋が狭く感じる

窓まわりの納まりは、見積もり前の採寸で確認できます。

内窓は既存の窓より室内側に付き窓台の奥行きがなくなったり、枠が手前に出っ張ったりするからです。

床面積が減るわけではありませんが、出窓、キッチンカウンター、窓際のベッド、カーテンレールと干渉することがあります。

LIXIL「インプラス」の取付条件例では、既存サッシの室内側で最も出ている部分から窓枠の室内端まで、引違い窓は70mm以上、開き窓・FIX窓は55mm以上の有効寸法を確認します。

たとえば引違い窓で現在の有効寸法が30mmなら、必要な70mmとの差は40mmです。ふかし枠40mmを検討し、私はさらに窓台の厚みと傷み、クレセントの回転、カーテン、家具、シャッター操作まで現地で確認します。

内窓の取付けに必要な奥行き70mm・55mmとふかし枠40mmの計算例

寸法例の出典:LIXIL「内窓インプラスの取り付けについて知りたい」。製品・窓種ごとに条件が違うため、採用製品の資料で確認してください。

費用が思ったより高くつく

見積金額は、本体仕様だけでなく取付け面の状態で変わります。

ふかし枠や補強、カーテン移設、窓台補修、搬入を本体と分けて確認しないと、会社ごとの総額を比較できないからです。

窓台を延ばすふかし枠や補強材、カーテンレールの移設、既存窓台のカビ除去・補修、大きなガラスの搬入費が必要か、契約前に分けて見積もります。

「内窓一式」だけの見積もりをうのみにすると、当日に追加費用が出て慌てることになりがちです。

契約前に、ガラスの仕様や施工範囲、カーテン工事まで分けて見積もってもらうと、あとで揉めにくくなります。

二重窓で後悔しやすい人の特徴

内窓(窓の内側に窓枠と空気層を追加)とペアガラス交換(既存枠のままガラスだけ複層に交換)の違いを示した比較図

判断を誤りやすいのは、1か所の効果を部屋全体の効果と同じだと考える場合や、目的とガラス仕様が合っていない場合です。

家の一部・1か所だけで十分だと思っている人

「寒い部屋の窓を1枚だけ替えれば、部屋全体が暖かくなる」と考えると、期待とのズレが出ることがあります。

その窓際では効果を感じても同じ部屋の別の窓が冷気の入口として残るからです。

たとえば寝室に大きな掃き出し窓と腰窓があるのに腰窓だけ付けると、残した掃き出し窓から冷気が入り、「付けたのに寒い」となりがちです。

その窓を優先する場合でも、同じ部屋に残る窓やドアを確認し、次に対策する開口部まで計画しておくと、効果の範囲を説明しやすくなります。

内窓とペアガラスの違いを知らずに選ぶ人

「ペアガラスにすれば二重窓になる」と思っている方も、ギャップを感じやすいです。

内窓が今ある窓の内側にもう一組の窓を足す工事なのに対し、ペアガラス交換は今の窓枠を使ってガラスだけを複層ガラスに替える工事で、別物だからです。

内窓は窓枠と空気層が増えるぶん、既存の窓のすき間対策にもなりますが、ガラス交換では古いアルミ枠や戸車、気密材はそのまま残ります。

どちらが向くかは窓の状態や使い方しだいなので、言葉のイメージだけで決めると後悔につながります。

安さ優先でガラスの性能を妥協する人

価格だけでガラス仕様を決めると、目的と性能が合わないことがあります。

単板ガラスの内窓でも一定の効果はありますがガラス面が冷えやすく、結露や窓際の寒さの改善は複層ガラスに一歩譲るからです。

防音ではLow-E膜の有無より、ガラスの厚み、既存窓との厚み差、窓間距離、建付けが判断材料になります。断熱用の仕様をそのまま防音の正解にしないでください。

目的に対して必要な性能かどうかで選ぶのが、結局は近道です。

それでも二重窓にしてよかったこと【得られる効果】

マンションのリビング

内窓で期待できる効果を、断熱、防音、結露、冷暖房負荷に分けて確認します。

冬の寒さ・夏の暑さがやわらぐ

最初に確認したいのは、窓際の寒さ・暑さです。

古いアルミサッシと単板ガラスの窓へ気密性の高い樹脂製内窓を足すと窓から落ちる冷気や、足元のひんやり感がやわらぐからです。

室温だけでなく、窓際に座ったときの冷気、朝の冷え込み、暖房を切った後の温度変化も比較します。

夏も、西日の当たる窓では日ざしの熱をやわらげる助けになります。

外の騒音が静かになる

道路や線路の近くでは、窓から入る音を減らす目的でも検討されます。

内窓と外窓の間に空気層ができ、窓のすき間も減ると車の走行音や人の話し声などが伝わりにくくなるからです。

ただし換気口・壁・床・天井から回り込む音は残るため、窓だけの対策でどこまで減らせるかを先に確認します。

ただし、音の種類によって効き方が変わる点は、あとの選び方でくわしく触れます。

窓の結露が出にくくなる

結露対策では、室内側ガラスの表面温度を下げにくくする効果を利用します。

室内側の内窓ガラスが冷えにくくなり窓についていた水滴やカビ、窓枠の傷みが起きにくくなるからです。

一方で、室内湿度が高ければ内窓側にも結露し、内窓と外窓の間に湿気が入れば外窓側へ結露が残ることがあります。

加湿や室内干しの量、換気、窓間の空気漏れも合わせて確認し、結露ゼロを保証する工事とは考えないでください。

光熱費の節約につながる

長い目で見ると、光熱費の節約も期待できます。

窓から逃げる熱や入る熱が減れば、冷暖房の効きがよくなり使う量を抑えやすくなるからです。

削減額は地域、住宅の断熱状態、窓面積、冷暖房設定、生活時間で変わります。見積もりでは固定の節約額を前提にせず、窓際の不快感を減らす効果と分けて判断します。

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二重窓で後悔しない選び方

住宅の内窓

選ぶ軸は、目的、施工範囲、ガラス仕様、取付け条件の4つです。

目的で選ぶ

まず、何のために付けるのかをはっきりさせることが出発点です。

断熱・防音・結露では、選ぶべきガラスや仕様が変わるからです。

断熱や結露対策では、Low-E複層ガラスが候補になります。日射を取り込みたい方角と遮りたい方角で、クリアと高遮熱仕様を選び分けます。

一方、防音が主目的なら、複層ガラスより厚いガラスや異厚ガラス、合わせガラスのほうが向くこともあります。

断熱・防音・結露のうち優先順位を決め、同じ目的でも窓の方角と既存ガラスを伝えて相談してください。

付ける場所で選ぶ

次に、どこに付けるかで満足度が大きく変わります。

優先窓を決めるときは、同じ部屋に残る未対策の窓やドアも確認します。1か所施工なら、その開口部の改善として期待値を合わせます。

予算が限られるなら、寝室やリビングを部屋単位で仕上げ、大きな掃き出し窓や北側・風当たりの強い窓を優先すると失敗しにくいです。

脱衣室やトイレなど、寒さが体にこたえる場所を先に対策するのも手です。

予算を分けるなら、部屋単位で優先順位を付け、次回施工する窓まで記録に残すと比較しやすくなります。

ガラス・サッシのグレードで選ぶ

仕様のグレードは、価格だけで下げないことが大切です。

単板・一般複層・Low-E複層では断熱性能と価格が違います。目的に必要な性能を満たすかで比較します。

断熱や結露対策では樹脂製の枠とLow-E複層ガラスが候補ですが、方角、地域、既存窓との組み合わせで仕様を決めます。

また、南向きで冬の日ざしを取り込みたい窓と、西日を抑えたい窓では、選ぶガラスのタイプが逆になることもあります。

家じゅうを同じ仕様でそろえず、方角ごとに考えておくと納得感が高まります。

施工はリフォーム会社に任せて選ぶ

最後に、施工の質も後悔を分ける大きな要素です。

内窓は既存枠の傾きやねじれを調整しすき間なく付けないと断熱も防音も落ちるからです。

採寸では幅・高さだけでなく、取付け奥行き、枠の厚みと傷み、段差、クレセントやハンドルの干渉を確認します。大型ガラスは重量と搬入経路もあるため、商品ごとの施工条件に沿って依頼先を決めます。

なお、内窓には国の補助金が使える年度・条件があり、登録された会社が対象製品で申請する必要があります。(出典:先進的窓リノベ2026事業公式サイト)

補助金は予算の上限に達すると受付が終わり、金額も窓のサイズや性能で変わるため、使えるかどうかは早めに会社へ確認しておくと安心です。

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まとめ|内窓の後悔は「目的」と「施工範囲」で防ぐ

内窓の判断では、1か所の性能と部屋全体の体感を分け、目的・残る開口部・取付け奥行き・付帯工事を確認します。

向く家と、慎重に考えたい家を整理しておくと、判断しやすくなります。

家・部屋二重窓のおすすめ度
古いアルミ単板ガラスの寝室・書斎◎ 窓際の寒さ・結露に効きやすい
道路・線路沿いで騒音が気になる部屋◎ 防音の効果を感じやすい
マンションで外窓を替えにくい家○ 内側からの断熱に向く
毎日出入りする掃き出し窓△ 二重開閉の手間に注意
寒さの原因が床・壁・玄関にある家△ 窓だけでは効果が限定的

窓の状態や目的によって、内窓が向くか、ガラス交換や外窓交換が向くかは変わります。

同じ条件で複数のリフォーム会社に相談すると、自分の家に合う窓の対策が見えてきます。

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後悔の多くは「1社だけで決めたこと」から始まります。
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・毎日出入りする窓は、二重の開閉と施錠を負担に感じないか確認する
・1か所施工は、その開口部の改善として評価し、部屋に残る窓・ドアも確認する
・内窓とペアガラス交換は別工事。窓の状態と目的で選び分ける
・引違い窓は70mm、開き窓・FIX窓は55mmの取付け有効寸法がメーカー条件例
・結露はゼロを保証できない。換気と湿度対策も合わせて考える

内窓は、使い方と残る開口部まで測ってから、効果の範囲を決める工事です。

よくある質問(FAQ)

Q. 二重窓は効果がないって本当ですか?

A. 内窓を付けた開口部の断熱・気密性能は改善できます。ただし部屋全体の体感は、残る窓・ドア・壁・床でも変わります。施工した窓の効果と、部屋全体の効果を分けて確認してください。

Q. 二重窓と内窓、ペアガラスは何が違いますか?

A. 内窓(二重窓)は今の窓の内側にもう一組の窓を足す工事、ペアガラスはガラスだけを複層ガラスに替える工事です。窓のすき間まで対策したいなら内窓、窓台が狭い・出入りが多い窓ならガラス交換が向く場合があります。

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