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・ガス給湯器が寿命なので、この機会にエコキュートにするか迷っている
・「やめとけ」という話を見かけて不安になってきた
・同じ工事なのに、会社によって見積もりが20万円も違う
こんなお悩みを感じている方、多いのではないでしょうか。
私も現場で、エコキュートの相談を数多く受けてきました。
エコキュートは会社によって扱う機種も違いますし、そう何度も出る工事ではないので、相見積もりを取ると金額の開きが大きく出る商材です。
その差の出どころは、たいてい工事のほうです。
たとえば貯湯タンクは、お湯が満タンになると450kgほどになります。370Lの機種でも、満水質量が434〜445kgと書かれているものがあります。
畳1枚より狭い場所に、大人7人分くらいの重さが十数年のり続けます。
この重さを受けられるかどうかは、カタログを見ていても分かりません。
エコキュートに変えたいと思っている方に向けて、後悔しやすいポイントから交換費用まで詳しく解説していきます。
ぜひ最後まで読んでみてください。
エコキュートで後悔する5つの理由

相談で多いのは、湯切れとシャワーの水圧、それに深夜に動き出すヒートポンプの音です。
エコキュートの後悔は、使い始めて半年から1年たったころに出てきます。
ここでは、相談で多い5つの理由をくわしく解説します。
湯切れは来客と冬に起きる
エコキュートは深夜のうちにタンク1杯を沸かし、それを1日かけて使います。
使い切ると、昼間に沸き増しをすることになります。
湯切れが出るのは、ふだんと違う使い方をした日です。
- 正月や盆に親族が泊まった日
- 水道水の温度が下がる1月から2月
- 入浴時間がばらばらで、追い焚きを何度もかける日
昼間の沸き増しは、いちばん高い時間帯の電気を使います。
お湯が使えるまで30分から1時間ほど待つことにもなります。
年に数回でも泊まりの来客がある家なら、容量をひとつ上げた見積もりも一緒に出してもらいましょう。
シャワーの水圧はガスより弱い
ガス給湯器は水道の圧力をそのまま使いますが、エコキュートはタンクの中でいったん圧力を落として出します。
標準的な機種で180kPa前後、ガス給湯器は500kPa前後というのが、よく紹介されている数字です。
気づくのは2階のシャワーです。
キッチンで同時にお湯を使うと、目に見えて細くなります。
2階に浴室やシャワーがある家は、見積もりを頼む段階で高圧タイプかどうかを聞いてみてください。
運転音は置く向きで変わる
ヒートポンプの運転音は40から50dB程度で、エアコンの室外機と同じくらいです。
それでも苦情になるのは、動くのが人の寝ている時間だからです。
揉めやすいのは、次のような置き方です。
- 隣家の寝室の窓と、吹き出し口が正面で向き合っている
- 両側を壁やフェンスで囲まれていて、音が跳ね返る
- 自宅の寝室や子ども部屋の真下、真横にあたる
多少近くても、吹き出しが道路を向いていて反射するものがなければ問題になりにくくなります。
同じ距離でも、どちらを向いているかで苦情になるかどうかが変わります。
設置場所が決まる前に、隣の家のどの窓がそちらを向いているか、一度外に出て見てみてください。
電気代は電力プランで決まる
エコキュートが安いのは、深夜の安い電気で沸かすからです。
夜間が安いプランに切り替えないまま使うと、期待したほど下がりません。
見落とされやすいのが、そのプランが10年後も同じ条件で続くとは限らない点です。
夜間の割安なプランは、新規の受付を止めたり単価を見直したりすることがあります。
契約の前に、いま契約している電力会社の夜間プランがまだ新規で申し込めるかを確認しておきましょう。
入浴剤はメーカー指定のものに限られる
お湯が追い焚き配管を通るので、入れられる入浴剤に制限がかかります。
にごり湯タイプ、硫黄を含むもの、炭酸ガス系は使えないと案内されている機種が多いです。
ふろ自動を使わず湯はりだけにすれば、制限がゆるくなる機種もあります。
入浴剤を欠かさない家なら、候補の機種の取扱説明書で使える種類を先に見ておきましょう。

エコキュート工事で追加になる費用

本体以外でお金が動くのは、タンクの基礎、搬入経路、200Vの専用回路の3か所です。
エコキュート工事の金額は、本体の値段だけでは決まりません。
ここでは、現地調査のあとから足されやすい4つの費用を解説します。
- 基礎は既存を使うのか、新しく打つのか
- 搬入は手運びか、クレーンなどを使うのか
- 電気工事は専用回路だけか、分電盤の交換まで入るのか
- ガスの閉栓と機器の撤去は誰がやるのか
満水のタンクは450kg近い
エコキュートからエコキュートへの交換なら、既存の基礎を使えることのほうが多いです。
交換だけで言えば、6割から8割くらいは流用できているという感覚です。
ただしコンクリートがあるから使える、ということではありません。
見るのは、その下の地盤と厚み、それにアンカーが効く位置です。
よくある失敗は、だいたい次のどれかです。
- 昔の電気温水器用の基礎だからと、アンカー位置を確かめずに流用する
- 薄い土間コンクリートに直接アンカーを打って、端が割れる
- 基礎は無事でも、まわりの土が沈んで排水側だけ下がる
- ブロックや簡易基礎を、水平に見えるからという理由で使う
沈むときは、数年かけて数ミリから数センチ傾いていきます。
そのぶん配管にも無理がかかります。
費用は、単純な新設なら2万円から4万円前後を出す会社が多い価格帯です。
既存基礎の撤去、残土処分、鉄筋、型枠、狭い場所での手練りまで入ると、4万円から8万円になることもあります。
見積書の「基礎工事一式」が、流用なのか補修なのか新設なのかを聞いてみてください。
タンクが途中の角を曲がれない
置き場所は空いているのに、そこまで運べないことがあります。
搬入は、かなりの盲点です。
角型370Lの一例で、幅600×奥行680mm程度。
薄型なら奥行440mm程度まで薄くできますが、そのぶん幅が1,078mm程度あります。
薄型にすれば何でも通るわけではありません。細い直線には強くても、直角に曲がる場所では扱いにくくなります。
メーカーの指定値ではなく、搬入作業のうえでの目安です。
| 有効幅700mm以上 | 比較的考えやすい |
| 650mm前後 | かなり慎重に現地調査する |
| 600mm少々 | 寸法上は入っても、人の手と養生で厳しい |
| 600mm未満 | 角型は難しく、機種の変更を検討する |
見るのは、いちばん狭いところだけではありません。
門扉から入って、室外機と雨樋をよけて、給湯器の前で直角に曲がる。この曲がる場所が危険です。
600×680mmのタンクなら、平面の対角が約907mmあります。
角に900mmから1,000mm程度の逃げがないと、直線では入るのに曲げられないということが起こります。
避けたいのは、商品を現場まで運んできてから「入りません」となることです。工期が延びるだけでなく、機種を変えるなら見積もりの取り直しになります。
私は現地調査のとき、搬入口から設置位置まで動画を1本撮っておくようにしています。
最狭部をメジャーで測るだけより、判断のミスが減ります。
現地調査に立ち会えるなら、玄関わきのいちばん狭いところを一緒に測ってもらいましょう。
200Vは分電盤の空きで決まる
築何年だからだめ、という決め方はできません。
肌感では、築30年を超えたら分電盤まで、築40年前後なら引き込みの方式まで見ておきたいところです。
築35年でも盤を替えていれば簡単ですし、築15年でも太陽光やIH、EVの充電で満杯なら追加工事になります。
年数の前に見るのは、単相3線式かどうか、盤に空き回路があるか、主幹の容量はいくつかの3つです。
| 分電盤から専用回路を1本引く | 2万〜4万円 |
| 分電盤そのものを交換する | +5万〜10万円前後 |
| 配線が長い、隠ぺいが難しい | +2万〜5万円 |
| 幹線や契約容量まで変える | 合計10万〜20万円超 |
危ないのは、「200Vは来ていますか」と聞いて終わる打ち合わせです。
来ていても、空き回路がなければ話は終わりません。
見積もりを頼むときは、分電盤のフタを開けた写真を1枚撮って渡すと話が早くなります。

ガス配管と追い焚き穴が残る
オール電化にするなら、ガスの閉栓と機器の撤去、契約の解約が要ります。
プロパンなら、ボンベの引き取りやレンタル機器の精算が出ることもあります。
古い浴槽は、追い焚きの穴が2つ空いていることがあります。
この場合、1つ穴への切り替えや浴槽側の加工が必要になる場合があります。
ガスをやめるかどうかは、コンロと衣類乾燥機まで含めて先に決めておきましょう。
エコキュートのメリット

メリットがいちばん効くのは、お湯をよく使う家と、あと15年は住む予定がある家です。
条件が合えば、光熱費でも防災でも得をする設備です。
ここでは、エコキュートのメリットを4つの視点から解説します。
①は使う量に比例して下がるので、2人暮らしでシャワーが中心の家だと、下がる額そのものが小さくなります。
②は工事費を回収できるかという話で、10年住むのか20年住むのかで意味がまったく変わります。
③は昼間沸き上げに対応した機種なら、売電に回すより自家消費するという考え方ができます。
④はタンクに残った水を、断水のときに生活用水として取り出せるという話です。飲み水には使えないと案内されているのが一般的です。
4つのうち2つ以上が当てはまる家なら、前向きに検討していい設備だと思います。

エコキュートを選ぶ際のポイント

容量は家族の人数ではなく、いちばんお湯を使う日に合わせて選びます。
機種選びで見るところは、そう多くありません。
ここでは、容量・水圧・補助金の3つに絞って解説します。
容量はいちばん多い日で選ぶ
メーカーの案内では、家族の人数でこのくらいという目安が示されています。
| 370L | 2〜4人 |
| 460L | 4〜5人 |
| 550L | 6〜7人 |
この表どおり人数で決めると、足りなくなる日が出てきます。
浴槽が大きい家、湯船に毎日ためる家、来客が泊まる家は、表よりひとつ上の容量が要ります。
ただし容量を上げるとタンクも大きくなり、置き場所と搬入の話に跳ね返ります。
迷ったら、いちばん人が多い日の入浴人数を基準にしてください。
2階で使うなら高圧タイプを選ぶ
標準の機種は180kPa前後、高圧タイプやパワフルタイプと呼ばれる機種は300kPa前後。
数字で見ると小さく感じますが、シャワーの手応えははっきり違います。
検討したいのは、2階に浴室がある家、3階建ての家、キッチンとシャワーを同時に使うことが多い家です。
あとから圧力だけを上げることはできません。
見積書の型番に高圧やパワフルの記載があるか、契約の前に確かめてみてください。
補助金は自分では申請できない
エコキュートは国の補助制度の対象になる場合があります。
給湯省エネ2026事業では、1台あたり基本7万円、性能の高い機種で10万円、電気温水器などの撤去加算を含めて最大14万円と示されています。
(出典:給湯省エネ2026事業「事業概要」)
見落とされやすいのが、申請する人です。
申請するのは登録された事業者で、施主が自分で出す仕組みにはなっていません。
予算の上限に達すると受付が終わる制度でもあります。
見積もりを取るときに、その会社が登録事業者かどうかを最初に聞いておきましょう。
エコキュートの10年後にかかる費用

2台目は基礎も200Vも使い回せますが、本体が高いので思ったほど安くなりません。
エコキュートは、10年前後でもう一度同じ工事がやってきます。
ここでは、そのときに出てくる費用を3つに分けて解説します。
- 新しい本体と、交換工事の費用
- いま付いている機器の撤去・搬出・処分費
- 基礎や配線が使えなければ、その作り直し
2台目は思ったほど安くならない
基礎も200Vの配線も給湯配管もそのまま使えるので、初回より安く済むと思われがちです。
ところが本体の値段そのものが大きいので、下がり幅は限られます。
すでにエコキュートが付いている家からの交換で、370Lなら35万円から55万円前後、460Lなら40万円から65万円前後がひとつのゾーンです。
搬入が難しい、高圧タイプ、寒冷地仕様といった条件が付くと、そこから上がります。
機種を決める前に、10年後にもう一度この金額が出るものとして総額を見ておきましょう。
撤去処分費は分けてもらう
見積書では、既設の撤去・搬出・処分を1行に独立させてもらうほうが分かりやすくなります。
肌感では2万円から4万円前後で、標準工事費に含めている会社もあります。
撤去費0円と書いてあっても、本当にゼロということはほとんどありません。
本体の値引きや標準工事費に入っているだけ、ということが多いです。
0円と書かれていたら、どこに入っているのかを一度聞いてみましょう。
ガスに戻す選択もある
エコキュートからガス給湯器に戻すという判断は、実際にあります。
理由は電気代だけではありません。
- 交換の40万〜60万円が負担になった
- 子どもが独立して、お湯を使う量が減った
- 狭い敷地で、交換のたびに搬入の費用がかさむ
- シャワーの水圧に、ずっと不満があった
- ヒートポンプの音が、隣家との間でずっと気になっていた
省エネだから次も当然エコキュート、とは限りません。
10年たてば家族の人数も、お湯を使う量も変わっています。
ただし都市ガスかプロパンか、太陽光があるかで採算は動くので、そのときにもう一度、計算し直してみてください。
標準工事○万円と書かれた見積書でも、基礎・搬入・電気・ヒートポンプの位置の4つは現地調査のあとに確定します。この4つが契約後に初めて出てくると、最初の見積もりは何だったのかという話になりがちです。
逆に言えば、この4つを契約前に説明してくれる会社は、現場を分かっている会社です。

まとめ
会社によって見積もりが20万円も違うのは、含まれている工事の中身が違うからです。
差が出るのは、基礎と搬入と電気のどこまでを見た金額かという点です。
・貯湯タンクは満水で450kg近く、既存の基礎が使えるとは限らない
・600×680mmのタンクは対角が約907mm。角に900〜1,000mmの逃げが要る
・200Vが来ていても、分電盤に空きがなければ回路の増設から
・音の苦情は大きさより、隣家の寝室の窓との向きで決まる
・2台目の交換は370Lで35万〜55万円前後が目安
私も現地調査に伺うときは、カタログより先に分電盤のフタと、玄関わきの通路幅を見るようにしています。
ここが決まれば、機種の話は後からでも間に合います。

通路幅を測ってもらったら、うちは薄型しか入らないと分かりました。契約の前で助かりました。
エコキュートは、置けるかより「そこまで運べるか」を先に見ると失敗が減りますよ。
エコキュートの工事は、基礎と搬入と電気のどこまで含むかで総額がまるで変わります。
同じ条件で何社かに出してもらい、含まれる工事の中身まで並べて比べてみてください。

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