パントリーはいらない?後悔4選|広さより「何歩で届くか」

可動棚に食品のストックが並ぶパントリーの内部 内装リフォーム

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・パントリーって、うちに本当に必要なのかな
・作ったのに使わなくなったらもったいない
・そもそも今の家に後から作れるの?

キッチンのリフォームで、いちばん意見が分かれるのがパントリーです。

「あると便利」と言われる一方で、「うちはいらなかった」という声も同じくらい聞こえてきます。どちらも本当なので、迷って当然だと思います。

結論として、パントリーで後悔する原因は「狭かった」ことより、わざわざ取りに行く収納にしてしまったことのほうがずっと多いです。収納量より先に、キッチンから何歩で手が届くかを見てください。

パントリーの図面は、たいてい面積で描かれます。
使い勝手は、そこでは決まりません。

よくある後悔と、その防ぎ方を先にまとめました。

よくある後悔起きること防ぎ方
キッチンから遠い取りに行くのが面倒で使わなくなる2〜3歩で届く位置に置く
奥行きが深すぎる奥の物が見えず期限切れになる有効奥行き30〜40cm
中が見えない在庫を把握できず二重に買う可動棚で1列に並べる
電気を考えていない暗くてただの物置になる照明とコンセントを先に決める

パントリーで後悔する4つの理由

クローゼットの内部

後悔の中身は、じつはどれも似ています。足りなかったのは広さではなく、出し入れのしやすさです。よく挙がる4つを順番に見ていきます。

後悔①|キッチンから遠く、取りに行くのが面倒になる

いちばん致命的なのは、広さでも棚の数でもなくキッチンからの距離です。

2〜3歩で手が届く収納と、いったんキッチンを出て扉を開けて入る収納では、同じ1畳でも使う回数がまるで変わります。

実際、遠い場所にパントリーを作った家ほど、よく使う調味料やレトルトがキッチンの背面に戻ってきています。結局そこが本当の収納になり、パントリーはたまにしか開けない部屋になってしまう。

間取り図の上では立派な1畳でも、毎日の体の動きで判断してみてください。

後悔②|奥行きが深すぎて、奥の物が見えなくなる

収納は「何が入るか」ではなく、手前の物をどかさずに奥が取れるかで決まります。

とくに注意したいのが、食品棚で奥行き60cm前後を一律に作ってしまうケース。60cmあると、手前に物を置いた瞬間に奥が見えなくなります。

入る量は確かに増えます。ところが「管理できる量」はむしろ減ってしまい、奥半分が賞味期限切れのストック置き場になりがちです。

深い棚ほど便利、とは限りません。奥行きの決め方は次の章で具体的な数字を挙げます。

後悔③|在庫を把握できず、同じ物を二重に買う

扉を閉めて中が見えない収納は、頭の中から在庫が消えます

気づいたら同じ乾麺が3袋、缶詰が二重に、という状態になり、「収納を増やしたのに食費が上がった」という話は珍しくありません。

見えない収納は、無い収納とほとんど同じです。棚を増やすより、1列に並べて全部が見える状態を作るほうが効きます。

後悔④|照明とコンセントがなく、ただの物置になる

意外と見落とされるのが電気です。奥行きのある収納に照明なしは、かなり使いづらいと考えてください。

夜はスマホのライトで中を探す、という状態になりがちです。暗い場所は自然と足が遠のきます。

コンセントも同じで、ホットプレートや炊飯器、セカンド冷凍庫を置くつもりなら先に決めておきたいところ。後から「ここに1口欲しい」と言われるのがいちばん面倒で、壁を開けずに配線できるかどうかは既存の構造しだいです。

4つに共通しているのは、収納量ではなく手間の話だということ。それでは逆に、使われているパントリーが何をしているのかを見ていきましょう。

作ってよかったパントリーに共通する4つのこと

リフォーム後のシステムキッチン

ここからは、前の章の後悔を裏返した具体的な逃げ道を紹介します。設計の段階で決まってしまう項目ばかりなので、打ち合わせの前に目を通してみてください。

キッチンから2〜3歩で届く場所に置く

使われているパントリーは、ほぼ例外なく調理の立ち位置から2〜3歩の範囲にあります。

広さは正直、二の次です。1畳のウォークインより、キッチン背面に幅1,800mmほどの浅い収納を取ったほうが便利な家はかなりあります。

キッチンまわりの収納の考え方は、キッチンリフォームでよくある後悔でもふれています。あわせて確認しておくと、優先順位がつけやすくなります。

有効奥行きを30〜40cmに抑える

食品庫として使うなら、有効奥行きは30〜40cm前後がかなり扱いやすい寸法です。

よく言われる45cmも間違いではありません。ただ、45cmいっぱいまで棚板にすると、小さい缶詰や調味料には深すぎることがあります。置く物で分けるのが現実的です。

置くもの使いやすい奥行き
調味料・缶詰・乾物25〜30cm
食品ストック・箱物30〜40cm
炊飯器などの小型家電40〜45cm
ケース買いの飲料・大型家電45〜60cm

人が入るタイプにするなら、奥行き30〜35cmの棚を左右に振り分けて中央に通路を取るほうが、片側だけ深い棚より使いやすい場合が多いです。

棚を可動式にして、重い物は下段に置く

パントリーには、見た目以上に重量物が集まります

2Lのペットボトル6本なら中身だけで約12kg。これを2ケース載せれば、それだけで約24kgです。ここに米が加わります。

棚板の厚みを「必ず◯mm」と断定するのは危険で、材質とスパン(渡す距離)で変わります。ただ、幅900mmを超える棚を薄い化粧棚板と金物2個だけで支えるような造りは、いずれ中央がたわみます。

見落とされがちなのが、棚板より棚柱を留めている壁側です。石膏ボードだけにアンカーで留めて「耐荷重◯kgだから大丈夫」と考えるのは危険。重い物を載せる棚は、必ず下地の位置を確認するか、下地を入れてもらってください。

照明とコンセントを先に決めておく

電気は、工事が始まってからでは動かしにくい項目です。棚割りと同時に決めるのが正解だと考えてください。

人感センサー付きの照明にしておくと、両手がふさがっていても中が見えます。コンセントは「今使う物」ではなく「置くかもしれない物」で数えておくと、後悔が減ります。

扉を閉め切る小部屋に冷凍庫まで入れるなら、発熱と換気も一緒に相談しておきましょう。

パントリーがいらない家の見分け方

買い置きが少なく背面収納で足りる家はパントリーが不要、まとめ買いが多く置き場が床になっている家は必要という判断の図解

正直に言うと、「この家にパントリーはいらないですよ」と伝えることはあります。作らない判断も立派な選択なので、自分の家がどちらに当てはまるか確かめてみてください。

いらない家は、買い置きが少なく背面収納で足りる家

次のような家では、パントリーを作っても持て余しやすいです。

  • 延床面積が小さく、パントリーのためにLDKを削ることになる
  • 夫婦2人などで、食品のストックがもともと少ない
  • スーパーが近く、買い置きをほとんどしない
  • キッチンの背面収納が十分に取れている
  • パントリーを作ると、冷蔵庫や家事の動線が悪くなる
  • 「流行っているから」以外の理由が出てこない

1畳のパントリーのためにLDKを1畳削るくらいなら、壁面収納を40cmだけ出したほうが暮らし全体は楽になることがあります。

あった方がいい家は、まとめ買いが多く置き場が決まっていない家

逆に効くのは、すでに「置き場のない物」が床に出ている家です。

ケース買いの水、米、防災用の備蓄、大きなホットプレート。この手の物がキッチンの隅や廊下に積まれているなら、パントリーは効果が出ます。

迷ったときは、打ち合わせの前に自分でこう聞いてみてください。「そこに何を入れる予定ですか」。ここで具体名が出てこず「食品とか、いろいろ……」となるなら、まずは今ある物の棚卸しが先です。

玄関側の収納で迷っている方は、シューズクロークで後悔しやすいポイントも同じ考え方で読めます。

後から作るパントリーの3つの方法

リフォーム前の和室

ここからがリフォームの本題です。パントリーは、間取りを決める段階でしか作れないものではありません。今の家でも取れる手は3つあります。

方法①|押入れ・納戸を転用する

いちばん現実的なのが、キッチンに近い押入れや納戸を食品庫に変える方法です。

ただし「中段と枕棚を外して可動棚を付けるだけ」で終わるとは限りません。現地を見るときは、次の4点を必ず確認します。

  • 床の強度…押入れの床は居室と下地の組み方が違うことがある
  • 段差…押入れの床が部屋より上がっていると、人が入る使い方で邪魔になる
  • 湿気…外壁側や北側の押入れは、食品庫にする前にカビ臭を確認する
  • コンセント…壁を開けずに配線を回せるかは既存の構造しだい

手こずるのは、じつは棚を壊す作業ではありません。中段や枕棚を外した跡には柱の欠き込みやビス穴が残り、どこまで下地を直せば仕上げが成立するかのほうが工事の大きさを決めます。押入れをつぶす工事の考え方は、和室から洋室にするリフォーム費用でも詳しく書いています。

方法②|キッチン背面に可動棚を組む

いちばん安く、いちばん失敗しにくいのがこの方法です。既存の壁を壊さずに済むのが強みになります。

壁に棚柱を留めて可動棚を並べるだけなので、工事は短く、後から棚の高さも変えられます。奥行きを30〜35cmに抑えれば、在庫が一目で見えるいちばん強い収納になります。

「パントリーという部屋」にこだわらないなら、まずここから検討してみると失敗が少ないでしょう。

方法③|間仕切り壁で小部屋をつくる

ダイニングの一角や隣室の一部を壁で囲い、独立したパントリーにする方法もあります。3つの中ではいちばん大がかりです。

壁と建具、照明、コンセント、床と天井の仕上げが一式で必要になるため、工事項目が一気に増えます。使わない部屋を家事室ごと作り替えるなら、ランドリールームで後悔しやすいポイントも同時に読んでおくと、部屋の取り合いで迷いません。

後から作りにくいのは、構造壁が邪魔をしている場所、分電盤や給湯リモコンが付いている壁、窓や梁下です。どれも「動かせなくはないが、金額が跳ねる」場所。図面より先に現地で見てもらってください。

後付けパントリーの費用の目安

リフォームの見積書と電卓

費用は既存の状態と仕上げでかなり動くので、初期検討用のレンジとして見てください。同じ「パントリー工事」でも中身がまるで違います。

工事のパターン別に見る費用の目安

3つの方法を、電気工事を分けて並べると次のようになります。

工事の内容費用の目安
押入れ・納戸をパントリーに転用10〜25万円前後
キッチン背面に可動棚を組む8〜25万円前後
間仕切りして小部屋をつくる20〜50万円前後〜
コンセントの増設(1か所)1〜3万円程度〜
照明の新設1〜3万円程度〜

小〜中規模の一般的な改修を想定した目安です。建具の新設、クロスの全面張り替え、床の補修、分電盤からの専用回路、既存壁の解体が入ると上振れします。

とくに押入れの転用は「棚を外すだけだから安い」と思われがちですが、解体・下地補修・壁・クロス・床・棚・電気まで触り始めると、工事項目が一気に増えます。

見積もりで必ず確認する3項目

金額の総額だけを比べても、パントリーの見積もりは判断できません。中身がそろっているかを見てください

  • 棚板の材質・厚み・スパンと、棚柱を留める下地の補強が入っているか
  • 照明とコンセントの電気工事が含まれているか(別途か)
  • 解体後の下地補修・クロス・床の仕上げが、どこまで入っているか

この3つが書き分けられている見積書は、まず信用できます。1社だけでは書き方の良し悪しも判断できないので、相見積もりの正しい取り方もあわせて確認しておくと安心です。

まとめ|パントリーは広さより「何歩で届くか」で決まる

「うちに本当に必要なのかな」という最初の迷いは、置く物と距離を決めた時点でほとんど消えます。

・後悔の主因は狭さではなく、キッチンからの距離
・食品庫の有効奥行きは30〜40cmが扱いやすい
・見えない収納は二重買いの原因になる
・照明とコンセントは棚割りと同時に決める
・後から作るなら、押入れ転用か背面の可動棚が現実的
・見積もりは下地・電気・仕上げの3点を見る

「何畳にするか」ばかり考えていました。まず何を置くかから決めてみます。

パントリーがある間取りではなく、毎日使える収納になっているかで選んでくださいね。

よくある質問

Q. パントリーは何畳あればいいですか?

A. 畳数から決めないほうが安全です。1畳のウォークインより、キッチン背面に幅1,800mm程度の浅い収納を取ったほうが便利な家もあります。

Q. 今の家に後からでも作れますか?

A. 作れます。現実的なのは押入れ・納戸の転用で、確認したいのは湿気・段差・コンセントの3点です。

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