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・シューズクロークって、本当に必要?
・作ったのに、いつの間にか物置になっている
シューズクロークの後悔は、面積が足りなかったことだと思われがちです。
実際によく聞くのは思ったより物が入らなかったことです。
図面では1畳あるのに、その半分近くを通路に使ってしまう。ここが分かれ目になります。
玄関収納の相談で先に測るのは、面積ではなく棚の長さです。
シューズクロークで多い後悔4つ
・思ったより物が入らなかった
・湿気とにおいがこもるようになった
・玄関そのものが狭くなった
・結局使わず、ただの物置になった

シューズクロークで多い後悔4選

引き渡しのあとに施主からこぼれた不満を、4つ挙げます。
思ったより物が入らなかった
この後悔は、棚の数では解決しません。
ベビーカーを入れたら人が通れない、ゴルフバッグを置いたら靴の前が塞がる。物の大きさが効いてきます。
厄介なのは、置きたい物が年々増えることです。防災用品や工具、宅配の箱まで入り始めると、あっという間に埋まります。
可動棚をたくさん付けても、棚の間隔が合わないと靴が入りません。
収納力を決めるのは面積ではありません。まずは壁を何メートル分、棚として使えるかを数えてみてください。
湿気とにおいがこもるようになった
においの相談は、住み始めてから出てきます。
靴だけならそこまで気になりません。問題は濡れた靴に、レインコート、傘、ヘルメット、スポーツ用品が加わったときです。
男の子がいる家庭や、部活の道具が毎日帰ってくる家庭で出やすい不満です。
原因は靴そのものより、汗と皮脂に水分が加わり、乾かないまま置かれることにあります。
メーカーも、靴や雨具、コートを収納する土間収納ではにおいと湿気の対策が必要だとしています。
濡れたまま詰め込まれる時間が長いほど、においは強くなります。
玄関そのものが狭くなった
圧迫感は、シューズクロークの中ではなく外で起きます。
1畳のスペースを取るために玄関ホールを削り、来客のときに家族2人が並べなくなる。よく聞く話です。
収納は増えたのに、家の第一印象は窮屈になります。シューズクロークを広くすれば、必ずどこかが狭くなります。
玄関を開けたときにどう見えるかまで、図面の段階で想像しておきたいところです。
結局使わず、ただの物置になった
作ったのに使わない。タイプによって、起きやすさがはっきり分かれます。
中でUターンして戻るウォークイン型なら、使われなくなることはそれほど多くありません。
問題は玄関からシューズクロークを通ってホールへ抜けるウォークスルー型です。普通の玄関から入ったほうが2〜3歩近ければ、家族はそちらを使います。
家族用の玄関を作ったのに誰も通らない。間取りを優先して、毎日の歩き方を見ていないと起こります。
4つのうち根が深いのは、収納量の後悔です。次は「いらない」と言われる理由を見ていきます。
「シューズクロークはいらない」と言われる理由

作らないほうがいい家も、はっきりあります。
いちばん分かりやすいのは、玄関に置くものが靴しかない家です。
- 1〜2人暮らしで、靴の数が多くない
- ベビーカーや三輪車がない
- アウトドア用品やスポーツ用品を家に持ち込まない
- コートは各自のクローゼットにしまっている
- 外の物置が玄関のすぐ近くにある
当てはまるなら、幅のあるシューズボックスと外の物置に分けたほうが、玄関を広く使えます。
壁付けの玄関収納は、靴だけを納めるならかなり効率がいいからです。
メーカーの例では、幅740mm・高さ2080mmのタイプで靴39足という設定が示されています。
(出典:LIXIL「玄関収納」)
判断の分かれ目は、置きたい物を2つに分けられるかどうかです。
室内側に靴、傘、鍵、スリッパ。外の物置にタイヤ、キャンプ用品、工具、園芸用品、泥のついた物。
この分け方で困らないのなら、玄関を狭くしてまでシューズクロークを作る必要はありません。
逆に評価が高いのは、外で使う物が毎日家の中まで入ってくる家です。子どもが2人以上いて、ベビーカー、三輪車、部活の道具、ヘルメット、雨具がいつもある。こういう家では靴収納というより「外と室内の中間倉庫」として効いてきます。
人が中に入って使う収納は、通路のぶんだけ収納量が減ります。大きな物を置かないのなら、壁付けの玄関収納のほうが効率で勝ちます。
作ると決めたなら、次は寸法の話です。面積を増やしても解決しない部分から決めていきます。
後悔しないシューズクロークの作り方

広さ、におい、棚の高さ。上から順に決めていきます。
広さは棚の奥行きと通路幅で決める
畳数から入ると、たいてい失敗します。
靴を置く棚の奥行きは300〜350mmが基本です。一般的な靴なら300mm前後で収まります。
メーカーの玄関収納も、本体の奥行きは400mmと360mmの2種類です。これは箱の外寸なので、中の棚板はさらに浅くなります。(出典:LIXIL「玄関収納」)
長靴や箱、ヘルメットまで置くなら350〜450mm欲しい場所も出てきます。すべてを450mmにすると通路を食うので、用途で奥行きを変えるのがコツです。
通路の幅は、次のように考えています。
| 通路の幅 | 使い勝手の目安 |
|---|---|
| 600mm | 図面上は通れるが、しゃがむと後ろを通れない |
| 750mm | 実用の最低ライン |
| 800〜900mm | かなり使いやすい |
| 900〜1000mm | ベビーカーや大きな荷物を扱いやすい |
いずれも現場での実感値です。
組み合わせると、片側だけ棚を置くなら棚350mmと通路800mmで内寸1150mm程度。
両側に棚を置くなら棚300mm、通路800mm、棚300mmで1400mm程度が目安になります。
1350mm程度でも成立しますが、大人がしゃがむと窮屈です。
ウォークスルー型では、通路を削らないでください。毎日通る廊下の一部になるので、750〜800mmは確保したいところです。
同じ面積なら、ウォークスルー型はウォークイン型より収納量が減ります。通路に回す割合が増えるからです。動線の便利さを取るのか、収納量を取るのか。ここは最初に決めておいてください。
広さを決めるときは、何を入れるかを書き出してから寸法に落としていきましょう。
においは空気の入口と出口で決める
においの対策は、消臭剤の前に空気の流れです。
見るのは、空気の入口と出口がそろっているかどうかです。理想は、扉の下のすき間やガラリから空気が入り、シューズクローク内を通って換気扇から外へ抜ける流れになります。
換気の基本も、給気と排気をセットで確実に行うこととされています。新築の住宅では24時間の機械換気が義務づけられています。
ここで誤解されやすいのが扉です。扉を付けるから臭うのではなく、閉め切って空気が動かないから臭います。
扉と換気扇と給気経路がそろっていれば、むしろにおいを玄関側へ出しにくくできます。
逆にガラリだけ付けても、空気を引っ張る側がなければたいして動きません。見積もりの段階で抜けやすいところです。
窓は補助としては有効です。ただ、毎日窓を開ける前提の換気計画は勧めていません。
冬、雨の日、留守、防犯と、閉めっぱなしになる理由がいくらでもあるからです。
除湿剤は小さな下駄箱なら補助になります。濡れた物を入れる家では、除湿剤より先に乾かすことと空気を動かすことです。
棚の高さとコート掛けの位置で決める
最後は、使われるかどうかを分ける寸法です。
可動棚のピッチは30〜50mm程度を勧めています。32mmピッチのように細かく動かせるものが使いやすい仕様です。
60mmピッチでも使えますが、あと30mm下げられればもう一段入ったのに、が起こります。靴は高さがばらばらだからです。
棚の間隔は、入れる物に合わせて混ぜていきます。
| 入れる物 | 棚の間隔の目安 |
|---|---|
| パンプスなど | 120〜150mm |
| スニーカー・普通の靴 | 160〜200mm |
| ハイカット | 200〜250mm |
| 長靴・ロングブーツ | 400〜500mm |
どれも現場で使っている目安です。すべてを200mmの等間隔にするのは、もったいない使い方になります。
いちばん下の棚は、床から180〜250mm程度を基準にしています。最下段にも靴を置けて、床の掃除もしやすい高さです。
棚板を床ぎりぎりまで下げると、砂や泥、ほこりがたまって掃除しにくくなります。土間では地味に効いてくる部分です。
見落とされやすいのがコート掛けです。服をハンガーで掛けると、奥行きを500〜600mm使います。
靴棚の300mmで考えていると、服が通路へ200mm近くはみ出します。750mmの通路が実質550〜600mmになってしまう、という失敗です。
バーの高さは大人用なら1650〜1750mm程度が扱いやすい寸法です。子どもが使うなら、別に低いフックを付けます。
ロングコートの真下に靴棚を入れすぎないことも大切です。裾が靴に乗っている家は、結局使われなくなります。
ここまでは新しく作る前提でした。次は、すでに建っている家の話に移ります。
リフォームでシューズクロークをどうするか

すでに建っている家では、新しく作る場合と、あるものを直す場合があります。
どこを削って作るか
後付けで多いのは、玄関以外から場所を借りるやり方です。
- 玄関横の物入れや納戸
- 廊下の収納
- 隣の部屋の一部
- 和室や押入れの一部
- 階段下
- 広すぎる玄関ホール
成功しやすいのは、玄関を狭くして作るより、隣の部屋から少し借りるやり方です。
玄関そのものを削ると、収納は増えたのに家の第一印象が悪くなります。
一方で、壊せない壁もあります。耐力壁、筋交い、抜けない柱、マンションの躯体壁や配管スペースが代表格です。
換気も、外壁に穴を開けられないマンションや、梁で経路が取れない一戸建てがあります。
そして意外に効いてくるのが上がり框です。玄関の土間と室内の床の境目なので、動かすと床、土間、タイル、框、建具まで連鎖して触ることになります。
壁を1枚動かすだけのつもりが、玄関工事一式になる典型です。
費用と工期の目安
金額は、棚よりも周辺の工事で決まります。
| 工事の内容 | 工事込みの目安 | 工期の目安 |
|---|---|---|
| 既存のスペースを使い、棚と内装が中心 | 20万〜40万円前後 | 3〜7日 |
| 間仕切り、建具、電気、換気まで | 40万〜80万円前後 | 1〜2週間 |
| 玄関の床や上がり框、建具の移設まで | 80万〜150万円超 | 2週間以上 |
金額はいずれも現場での肌感です。地域、仕上げ、既存の状態、住みながらの工事かどうかで大きく動きます。
工事期間と、職人が実際に作業する日数は別物です。養生、乾燥、職種の入れ替えが挟まります。
見積もりで漏れやすいのは棚ではありません。換気扇、電源、照明、下地の補強、建具、上がり框、土間やタイルの補修、巾木、既存収納の撤去あたりです。
壁紙も、新しい壁だけ貼れば済むとはなりません。色の差が出るので玄関ホールの一面まで貼り替える、という追加が出ます。
使っていないシューズクロークを立て直す
すでにあるのに使われていない場合、いきなり壊しません。
見るのは「なぜ入らないのか」ではなくなぜ人がそこへ行かないのかです。
床に今なにが置かれているかを見ると、原因はだいたい分かります。入口が狭い、遠回り、暗い、棚の前に物がある、棚の高さが合わない、何を置く場所か決まっていない。
手をつける順番も決まっています。
上から順に試したほうが、費用対効果はずっと高くなります。棚を外してフックを足すだけで生き返る家もあるので、壊すのは最後にしてください。
玄関まわりのほかの工事は、こちらでまとめています。
- 玄関引き戸で後悔4選 — 引き戸に替えると、通れる幅がどう変わるか
- フロアタイルで後悔? — 玄関まわりの床材で迷ったときに
- ランドリールームで後悔4選 — 畳数ではなく動線で決まる点は同じです
同じ相談でも、隣の部屋から借りる提案をする会社と、玄関を削る提案をする会社に分かれます。その差がそのまま使い勝手の差になるので、複数社に現地を見てもらってから決めると納得して進められますよ。

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まとめ|シューズクロークは「棚の長さと通路の幅」で決まる
シューズクロークの後悔は、面積ではなく取り合いから生まれます。最後に要点をおさらいします。
・収納力を決めるのは畳数ではなく、棚として使える壁の長さ
・棚の奥行きは300〜350mm、通路は750mmが実用の最低ライン
・同じ面積ならウォークスルー型はウォークイン型より収納量が減る
・においは扉のせいではなく、空気の入口と出口がないから起きる
・コートを掛けると奥行きを500〜600mm使い、通路が実質狭くなる
・玄関に置く物が靴だけの家は、シューズボックスと外の物置のほうが広く使える
現地を見るとき、私は面積より先に「今いちばん大きい物」を測ります。ベビーカーやゴルフバッグの実物を測っておくと、図面の畳数より確実です。
よくある質問にもお答えします。
Q. シューズクロークは何畳必要ですか?
A. 畳数ではなく内寸で考えてください。片側に棚を置くなら1150mm程度、両側に置くなら1400mm程度が目安です。
Q. シューズクロークのにおい対策はどうすればいいですか?
A. 空気の入口と出口をそろえることが先です。扉の下のすき間やガラリから入れて、換気扇で外へ抜きます。
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