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・半畳サイズなのに、見積もりが思ったより高い…
・縁がないと、角からすぐ傷むって本当?
和室を今風にしたいと相談されたとき、よく候補に挙がるのが琉球畳です。縁のない半畳の畳を市松に敷く仕上げで、和室の古さがすっと抜けて見えます。
ただ、現場で聞く不満は、時期によってきれいに分かれます。
見積もりの段階でいちばん多いのは「思ったより高い」。使い始めてからいちばん気にされるのは「角の傷み」です。どちらも先に知っておけば防げます。
琉球畳のデメリット4つ
・普通の畳より費用がかなり高くなる(見積もり時に最多)
・縁がないぶん角が毛羽立ちやすい(使用後に最多)
・市松模様がカタログほどはっきり出ない
・天然い草は時間とともに色が変わる

この記事では、リフォーム会社で働く建築士の目線で、琉球畳のデメリットを整理します。4つの弱点、後悔しやすい家、素材の選び方の順でお伝えするので、自分の和室に合うかが見えてくるはずです。ぜひ最後まで読んでください。
琉球畳とは

琉球畳と呼ばれているものの多くは、縁のない半畳サイズの畳です。
本来は七島イという植物を使った縁なし畳を指す言葉でした。ただ現在は、素材が和紙でも樹脂でも、形状から琉球畳と呼ばれることが増えています。
6畳の和室なら、一般的には半畳を12枚並べる形になります。この「枚数が倍になる」という点が、これから説明する費用にも耐久性にも効いてきます。
琉球畳のデメリット4選
現場でよく聞く弱点を4つ紹介します。
普通の畳より費用がかなり高くなる
まず引っかかるのが金額です。
「半分の大きさだから安いのでは」と思われがちですが、実際は逆になります。6畳なら12枚を製作することになり、角をきれいに折り込む加工と、枚数分の採寸・調整が必要だからです。
現場で見る6畳の概算を並べると、差がはっきりします。
| 工事内容 | 6畳の目安 |
|---|---|
| 普通の縁付き畳の表替え | 3万〜8万円 |
| 半畳の縁なし畳に新調 | 18万〜30万円前後 |
| フローリングにする | 12万〜20万円 |
メーカーの公式ショップでも、和紙製の縁なし畳6帖の新調例として28万3,200円からという価格が示されています。
気をつけたいのは、表替えとの単純比較です。表替えは既存の畳床を再利用する工事ですが、一畳物6枚をそのまま半畳物12枚には変更できないため、琉球畳は基本的に新調になります。
比べるなら「表替え」「普通の畳を新調」「縁なし畳を新調」の3つに分けて出してもらってください。
縁がないぶん角が毛羽立ちやすい
暮らし始めてから相談が増えるのは、角の傷みです。
畳縁には、もともと角の摩耗を防ぎ、畳同士の隙間を目立ちにくくする役割があります。縁なし畳はその保護がないため、同じ角を繰り返し踏む場所から擦れが出ます。
傷みやすいのは、出入口、掃き出し窓の前、押入れの前、リビングとの境目です。子どもが走る場所や、ペットが方向転換する場所も同じになります。
天然い草で使い方が激しいお宅だと、3〜5年ほどで毛羽立ちが見え始めることがあります。反対に客間のように使用頻度が低ければ、7〜10年きれいなままの例も珍しくありません。年数より動線で決まる、と考えたほうが実態に近いですよ。
市松模様がカタログほどはっきり出ない
模様の出方についても、先に知っておきたいことがあります。
琉球畳の市松模様は、2色の畳を使っているわけではありません。1色の畳を縦横交互に敷き、光の反射方向の違いで市松に見せている仕上げです。
そのため、夜間の照明や曇りの日には模様が弱く見えます。逆に窓から強い光が入ると、一部だけ明るく浮くこともあります。
「2色で市松にする」と受け取ったまま契約すると、完成後に「思ったより模様が薄い」となりがちです。光の向きで見え方が変わる仕上げだと理解しておいてください。
天然い草は時間とともに色が変わる
天然い草は、緑色から黄色や飴色へと変化していきます。
これは不良ではなく自然な経年変化です。ただ和モダンな緑色を長く保ちたい方には向きません。南向きの窓がある部屋やリビング続きで日中ずっと明るい部屋では、家具の下との色差も出やすくなります。
「畳らしさを優先してい草にしたが、半年から1年で色が変わってしまった」という相談は実際にあります。素材が悪いのではなく、天然素材の変化を人工素材と同じ感覚で考えてしまうと、こうなりやすいと覚えておいてください。
琉球畳で後悔しやすい家の特徴
現場感としては、琉球畳そのものを後悔するというより、部屋の使い方に合わない選び方をして後悔するケースが目立ちます。次のような家は慎重に考えてください。
予算をできるだけ抑えたい家
費用を最優先するなら、普通の縁付き畳の表替えが圧倒的に有利です。
先ほどの表のとおり、表替えなら3万〜8万円、縁なし畳の新調なら18万〜30万円前後と桁が変わります。畳縁の色や柄を変えるだけでも部屋の印象は動くので、予算重視ならそちらを先に検討してみてください。
床の間や欄間が残る本格的な和室
格式のある和室に琉球畳だけを入れると、ちぐはぐに見えることがあります。
床の間、欄間、長押、床柱が残っている部屋では、天井や襖、木部との調和が取れず、畳だけが新しく浮いて見えます。仏間や客間として格式を重視するお宅も同じです。
畳を替えるだけで和モダンになるとは限りません。部屋全体で考える必要があります。
床に座らず家具中心で暮らす家
ベッドやデスクを常設する、キャスター付きの椅子を使う、ペットのトイレを置く。こうした使い方なら、畳のクッション性はあまり活きません。
縁なし畳は見た目が洋風でも、フローリングと同じ使い方ができる床材ではない点に注意してください。家具中心の生活なら、琉球畳に費用をかけても数年後にフローリング化することになりかねません。
逆に、リビングに隣接した4畳半や6畳の和室で、押入れや障子は残したまま古い印象だけ変えたい、子どもの遊び場や昼寝スペースとして床座で使いたい、というお宅にはよく合います。洋室化すると敷居や建具まで工事範囲が広がるので、そこを抑えられるのも利点ですよ。
琉球畳で後悔しないための選び方

ここからは、後悔を減らす3つの選び方です。
素材を生活条件で選ぶ
い草、和紙、樹脂のどれが優れているかではありません。日当たり、飲食、子ども、ペットといった生活条件に合うかで、数年後の満足度が変わります。
天然い草は、香りと肌触りを重視する方、客間や寝室のように飲食が少ない部屋に向きます。日焼けや色の変化を味として受け入れられることが前提です。
和紙畳は、迷っている方にいちばん提案しやすい素材です。機械すき和紙をこより状にして樹脂で覆った畳表で、天然い草より日焼けしにくく、汚れやカビにも比較的強くなっています。DAIKENは同社の和紙畳について、い草と比べて約3倍の耐摩耗性があるとしています。(出典:DAIKEN)香りや天然素材らしさではい草に及びませんが、引き渡し後の変色や汚れの相談はぐっと減ります。
樹脂畳は、水や汚れへの強さを優先する家に向きます。セキスイのMIGUSAはポリプロピレンと無機材料を使った畳表で、天然い草より色あせしにくく、水拭きできる点が特徴です。(出典:セキスイ)ペットがいるお宅や食べこぼしが多いお宅なら、こちらも見てみてください。
部屋のゆがみと割り付けを確認して選ぶ
既存の和室は、図面では長方形でも、実際は完全な長方形でないことがよくあります。
柱や壁が数センチ出ている、部屋の奥と手前で寸法が違う、左右の壁が平行でない。こうした部屋では、外周の畳を数ミリから数センチ調整して、中央の市松がそろって見えるように割り付けます。ゆがみが大きければ、端の畳がわずかに台形になることもあります。
注意したいのは切り欠きの多い畳です。加工費が増えるうえ、細く残った角から傷みやすくなります。写真や図面だけで金額を確定せず、現地で対角寸法と柱型を測ってもらいましょう。畳の色を選ぶより先に、ここを確かめておくと安心です。
洋室化やフローリング化とも比べて選ぶ
つい飛ばされがちですが、そもそも和室を残すかどうかから考えたほうが失敗しません。
先ほどの表のとおり、琉球畳への新調は、基本的なフローリング化より高くなることがあります。それでも琉球畳を選ぶ理由は、畳の柔らかさを残せること、敷居や建具まで手を入れずに済むことです。
将来その部屋をどう使うかまで考えて決めましょう。家具中心の生活になるなら、最初からフローリング化を選んだほうが、結果的に安く収まりますよ。
和室は「残すか変えるか」から決める
畳を上げてみると、床板の沈みや湿気、シロアリの跡が見つかることがあります。
表面だけきれいにしても、下地が沈んでいれば畳同士に段差が出ます。見積もりでは、既存畳の処分費、家具や仏壇の移動、柱型の切り欠き加工、畳下の合板補修、敷居や建具下端の調整まで含まれているかを確認してください。下地補修が別途になる条件を先に聞いておくと安心です。
畳をやめる場合の費用と工法は、こちらでまとめています。

和室ごと洋室に変える場合は、こちらが参考になります。

畳店に頼むか、リフォーム会社に部屋ごと相談するかでも提案は変わります。同じ条件で複数社に出してもらうと、自分の和室に合うやり方が見えてきますよ。
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まとめ|琉球畳の後悔は「生活条件との不一致」で決まる
琉球畳で多い不満は、見積もり時には価格、使い始めてからは角の傷みです。最後に要点をおさらいします。
・半畳12枚の新調になるため、表替えとは桁が変わる(6畳で18万〜30万円前後)
・畳縁がない=角の保護もない。傷みは年数より動線で決まる
・市松模様は2色ではなく光の反射。夜や曇りの日は薄く見える
・い草・和紙・樹脂は優劣でなく、日当たりと使い方で選ぶ
・色より先に、部屋のゆがみと割り付けを現地で確認する
琉球畳は「傷まない畳」ではなく、「すっきり見える代わりに角の保護がなくなる畳」です。そこを納得して選べたお宅は、数年たっても満足度が高いですよ。
よくある質問にもお答えします。
Q. 琉球畳のデメリットは何ですか?
A. 費用が普通の畳より大幅に高いこと、縁がないぶん角が毛羽立ちやすいことです。加えて、市松模様は光の反射で見せるため見え方が変わり、天然い草なら色も変化していきます。
Q. 普通の畳とどちらがいいですか?
A. 見た目を今風にしたいなら琉球畳、費用と長持ちを優先するなら普通の縁付き畳が基本の考え方です。床の間や欄間の残る本格的な和室では、畳だけ替えると浮いて見えることもあるので、部屋全体で判断してください。
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