食洗機はいらなかった?|建築士が教えるデメリットと後悔しない選び方

「食洗機はいらなかった?|建築士が教えるデメリットと後悔しない選び方 水廻りリフォーム

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・食洗機って、結局使わなくなるって聞くけど本当?
・うちは2人暮らしだし、いらないかな…

キッチンリフォームの打ち合わせで、食洗機を入れるかどうかは必ず話題になります。ネットで「食洗機 いらなかった」と検索して、不安になる方も多いようです。

ただ、現場で「使わなくなった」というお宅の話をよく聞くと、食洗機そのものが不要だったケースはあまりありません。

ほとんどが、容量や使い方が暮らしに合っていなかっただけです。とくに多いのが、浅型を選んで一番洗いたかった鍋が入らなかった、という失敗になります。

食洗機で「いらなかった」となる原因
・浅型で鍋やフライパンが入らない(いちばん多い)
・予洗いをやりすぎて手間が減らない
・プラスチックの水滴が残り「乾かない」と感じる
・キャビネットが減って収納に困る

食洗器いらなかった人・あってよかった人

この記事では、リフォーム会社で働く建築士の目線で、食洗機の後悔を整理します。よくある失敗、後悔しやすい人、失敗しない選び方の順でお伝えするので、自分の家に必要かどうかが見えてくるはずです。

ぜひ最後まで読んでください。

食洗機のビルトインと卓上の違い

食洗機のビルトインと卓上の違い

リフォームで選べる食洗機は、キッチンに組み込むビルトイン型と、シンク横に置く卓上型の2種類です。

キッチン本体を交換するタイミングなら、調理スペースを圧迫せず、給排水ホースも露出しないビルトイン型を勧めることが多いです。

一方の卓上型は、賃貸住宅にお住まいの方、キッチン本体を壊したくない方、数年後の転居がありうる方に向きます。自分に合うかを試したいときの現実的な選択肢でもあります。

どちらを選ぶにせよ、後悔の原因は同じところにあります。次の章で見ていきましょう。

食洗機が「いらなかった」と言われる理由【よくある失敗】

現場で聞く後悔を、多い順に4つ紹介します。

浅型を選んで鍋やフライパンが入らない

いちばん多い後悔がこれです。茶碗や小皿は入るのに、深めの丼、保存容器、水筒、鍋が入らないというパターンになります。

「食器だけ洗えても、面倒な鍋が残るなら家事が半分しか減らなかった」という声は、本当によく聞きます。

メーカーが表示する「○人分」は、小皿や茶碗といった標準食器が基準です。実際の家庭ではワンプレートや大きなマグカップ、弁当箱、タッパーが入るため、表示の人数ほど余裕はありません

厚い陶器、背の高いグラス、取っ手の大きなマグなど、手持ちの食器の形が合わないケースも盲点です。深型スライドタイプは庫内容量63Lで、鍋やフライパンまでまとめて洗う想定になっています。(出典:リンナイ)

予洗いをやりすぎて手間が減らない

食器をスポンジでほぼ洗ってから入れているお宅は、使わなくなる確率が上がります。

本来必要なのは、固形物を捨てて、焦げ付きを軽く落とす程度です。予洗い不要をうたう機種も増えています。(出典:パナソニック)

ただし卵やチーズ、餅、茶碗に乾いて固まった米粒などは、軽く落としておいたほうが仕上がりが安定します。この線引きを知らないまま完璧に洗ってしまうと、時短を実感できません。

プラスチックの水滴が残って乾かない

乾燥への不満は、樹脂製の保存容器、弁当箱のふた、コップの底に集中します。

陶器やガラスは熱を持つので乾きやすいのですが、プラスチックは熱を持ちにくく水滴が残りやすいという素材の差があります。

完全にカラッと乾くイメージで導入すると、「毎回拭くなら意味がない」と感じてしまいます。故障を疑って連絡をいただくこともありますが、多くは仕様の範囲内です。

キャビネットが減って収納に困る

ビルトインを入れると、幅45cm、機種によっては60cm分のキャビネットを使います。

もともと収納が少ない壁付けキッチンでは、ボウルやザルの置き場がなくなる、米びつがキッチンの外に出る、調味料が天板に並ぶ、といった別の後悔が生まれます。

確認したいのは「食洗機が入るか」ではありません。食洗機を入れた結果、追い出される物をどこへ移すかまで決めておいてください。

食洗機で後悔しやすい人の特徴

向き不向きがはっきり分かれる設備です。

次のタイプの方は、慎重に考えたほうがよいかもしれません。

少量をすぐ洗う習慣が身についている人

食器が2〜3枚出るたびに手洗いする方は、そもそも食洗機にためること自体を不衛生に感じます。

食洗機は「ためて夜にまとめて回す」生活と相性がよい設備です。洗い物の量よりも、この習慣に抵抗があるかどうかで判断すると分かりやすいですよ。

木製や漆器など対応外の食器が多い人

木製の食器や漆器、アルミ鍋、繊細なグラス、金彩の器などは食洗機に入れられません。

こうした食器が多いと、入れられる物と手洗いする物を毎回仕分けることになり、手間が増えたと感じやすくなります。食器を入れ替える予定がないなら、正直に相談してください。

運転の音や時間が生活に響く人

意外に見落とされるのが、間取りとの相性です。

LDKと寝室が近い、夜勤のご家族がいる、ワンルームに近い間取りといった条件では、夜間の運転を避けているうちに使わなくなることがあります。

逆に、毎日自炊する3人以上のご家庭、共働きや子育て中のご家庭では満足度がとても高い設備です。「夜に食器を入れてスイッチを押せば、シンクが片付いた状態で朝を迎えられる」という評価をよくいただきます。手荒れに悩んでいる方にも効きますよ。

リフォームで食洗機を後悔しないための選び方

リフォームで食洗機を後悔しないための選び方

ここからは、後悔を減らす4つの選び方です。

普段使いの食器が入るかで容量を選ぶ

家族の人数だけで容量を決めると、ほぼ失敗します。

現場感では、3〜4人のご家庭なら基本は深型です。朝食の食器に水筒、弁当箱、夕食の調理器具まで考えると、浅型では1回に収まりません。2人暮らしでも、毎日料理をして鍋も洗いたいなら深型のほうが後悔しにくいです。

確実なのは、ショールームに普段使いの大皿、丼、弁当箱、水筒を持ち込んで、実際にカゴへ入れてみることです。カタログの人数表示より、はるかに正確に判断できます。

ビルトインか卓上かを設置条件で選ぶ

卓上型で最大の問題は、本体価格ではなく置き場所です。

実機は写真で見るより存在感があり、本体の設置面積だけでなく、扉を開ける空間、給排水ホース、水栓を操作するスペースも必要になります。シンク横に置けてもまな板が置けなくなり、料理のたびに物を動かすようになると使わなくなります

給水方式にも差があります。毎日使うなら分岐水栓式、使用頻度が低い場合や賃貸で工事ができない場合はタンク式、というのが現場での勧め分けです。ただし分岐水栓は水栓のメーカーと品番で適合部材が変わり、古い水栓や一部のタッチレス水栓では簡単に取り付けられないことがあります。(出典:パナソニック)

国産か海外製かを暮らし方で選ぶ

「洗浄力が高いから」という理由だけで海外製を選ぶのは危険です。

ミーレやボッシュのような海外製は、1日分をためて夜にまとめ洗いする生活に向いています。鍋や調理器具まで一度に洗いたい、食器の数が多いご家庭なら選ぶ価値があります。ただし60cmタイプはキッチン収納を60cm分使いますし、機種によっては単相200Vの電源が必要です。

食後すぐに少量ずつ洗いたいご家庭には、国産のスライド型のほうが使いやすいことが多いです。既存の45cm食洗機からの交換なら納まりも探しやすく、修理体制の面でも安心できます。

誰がいつ回すかを決めてから選ぶ

使わなくなるお宅には、共通点があります。

ご家族が適当に食器を入れ、最後に担当の方が全部並べ直している、という状態です。これでは「自分で洗ったほうが早い」となってしまいます

導入を決める前に、1日のどのタイミングで、誰が、何を入れて回すのかまで話し合っておいてください。可能なら引き渡しのときに、ご自宅の食器を使って入れ方を一度確認しておくと安心です。

食洗機はキッチン全体の計画で決める

既存のキッチンへの後付けは、条件が合えばできる場合があります。ただし「幅45cmの扉があるから入る」とは限りません

扉を1枚外してシンク下に納める方法が案内されていますが、設置状況によっては不可となることもあります。(出典:リンナイ)キャビネットの内寸、天板を支える桟の位置、排水トラップとの干渉、アース付き電源の有無まで確認して、はじめて正確な費用が出せます。

現場の概算では、既存食洗機からの交換で10万〜20万円台、食洗機のないキッチンへの後付けなら15万〜30万円前後が目安です。キャビネットの切断や専用電源の新設が重なると、30万円を超えることもあります。

反対に、もう何年も使っていない食洗機があるなら、撤去して収納にする選択肢もあります。ただし配管の閉栓や内部の造作、扉の色合わせが必要で、古いキッチンでは同じ扉材が廃番になっていることも少なくありません。収納化の費用が交換費用に近づくこともあるため、両方を見積もって比べてください。

キッチンリフォーム全体でよくある後悔は、こちらでまとめています。

キッチンリフォームで後悔?|建築士が教えるよくある失敗と対策
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まとめ|食洗機の後悔は「容量と使い方のミスマッチ」で決まる

「食洗機はいらなかった」という結論の多くは、実際には容量選びと使い方の設計が合っていなかっただけです。最後に要点をおさらいします。

・いちばん多い後悔は浅型で鍋が入らないこと。「大きすぎた」より圧倒的に多い
・容量は家族の人数でなく、普段使いの丼・水筒・弁当箱・鍋が入るかで選ぶ
・予洗いは固形物を捨てる程度でよい。やりすぎると時短にならない
・プラスチックに水滴が残るのは素材の差。故障ではない
・向くかどうかは「ためて夜にまとめて回せる生活か」で判断する

食洗機は全部の家庭に必要な設備ではありません。ただ、暮らしに合う容量を選んで毎日回しているお宅の満足度は、本当に高いですよ。

よくある質問にもお答えします。

Q. 食洗機のデメリットは何ですか?

A. キャビネットの収納が減ること、プラスチックに水滴が残ること、食洗機に入れられない食器があることです。洗浄力そのものより、容量や使い方が暮らしに合わないことが後悔につながります。

Q. 食洗機は後付けできますか?

A. 条件が合えばできる場合があります。ただしキャビネットの内寸、排水管との干渉、アース付き電源の有無などで判断が変わるため、現地調査が必要です。扉の幅だけでは判断できないと考えてください。

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