タッチレス水栓で後悔?|建築士が教えるデメリットと対策

タッチレス水栓で後悔?|建築士が教えるデメリットと対策 水廻りリフォーム

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タッチレス水栓って便利そうだけど、勝手に水が出たりしない?
手をかざすだけで全部できると思ってたのに、温度はレバーで変えるんだ…

タッチレス水栓は、センサーに手をかざすだけで水を出し止めできるキッチン水栓です。肉や魚、粉ものを触る料理中でも、レバーを汚さずに使える便利さで人気があります。

ただ、現場でいちばん多い後悔は、誤作動や故障そのものではありません。

「手をかざせば何でも自動になると思っていたが、水量や温度は結局レバーで調整する必要がある」という、期待とのズレです。そこさえ分かって選べば、毎日使うほど便利さを実感できる設備です。

タッチレス水栓でよくある後悔
・水量・温度はタッチレスでは調整できない(いちばん多い)
・センサーが意図せず反応して水が出る
・普通の水栓より修理費が高くつきやすい
・家族で操作方法が統一されず「壊れた」と勘違いする

この記事では、リフォーム会社で働く建築士の目線で、タッチレス水栓の後悔を整理します。よくある失敗、後悔しやすい人、後悔しないための選び方の順でお伝えするので、自分の家に向くかが見えてくるはずです。

ぜひ最後まで読んでください。

タッチレス水栓とは

タッチレス水栓は、センサーで水を出し止めできる水栓で、LIXILの「ナビッシュ」などが代表的です。

多くの機種では、レバーを普段使う温度・水量に合わせた位置にしておき、センサーで吐水・止水する使い方になります。

洗い物を差し出すと自動で水が出るハンズフリー機能付きの上位機種もあります。この基本を押さえたうえで、現場で聞く後悔を見ていきましょう。

タッチレス水栓で後悔する理由【よくある失敗】

現場でよく聞く後悔を、多い順に4つ紹介します。

水量・温度までは自動にならない

いちばん多いのがこれです。タッチレスで操作できるのは基本的に「出す・止める」で、水量や温度の調整は結局レバーで行うことになります。

とくに、料理中に弱い水を少しだけ出したい方や、温水と水を頻繁に切り替える方は、「センサーとレバーの両方を使うので、普通の水栓より操作が増えた」と感じることがあります。

「完全自動」を期待して付けると、ここで肩透かしを食うので、先に知っておいてください。

センサーが意図せず反応して水が出る

誤作動の相談もあります。よくあるのは、大きな鍋を吐水口の近くでひっくり返したとき、まな板や水切りかごをシンク内で動かしたとき、水栓まわりを布巾で拭いたときです。

大半は手を通す位置や鍋の動かし方が決まってくるため、使い始めより誤操作は減っていきます

ただし、シンクが小さくてセンサーを避けて物を動かせない家や、水栓周辺に物を置きがちな家では、慣れても不満が残りやすいです。

センサー表面の汚れや感知範囲内の障害物が、水が止まらない・反応が不安定といった症状につながることもあります。(出典:LIXIL)

故障すると修理費が高くつきやすい

普通の水栓より構造が複雑で部品が多いぶん、故障時の費用は上がりやすいです。

現場の概算では、清掃・調整程度で1〜2万円前後、センサーや電磁弁などの部品交換で2〜5万円前後、本体交換なら商品・工事込みで7〜15万円以上を見ておくと大きく外しません。LIXILが公表している一般的なキッチン水栓の修理目安でも、部品によって約1万2,000円〜5万円程度の幅があります。(出典:LIXIL)

使用年数が8〜10年なら、一部を修理するより本体交換を選ぶことも少なくありません。センサーを直した翌年にホースから漏水する、といった別の不具合が続く可能性があるためです。

家族で操作方法が統一されない

意外に多いのが、家族の誰かがレバーを閉じてしまい、次の人がセンサーに手をかざしても水が出ず「壊れた」と勘違いするケースです。

レバーは合わせた位置のまま、センサーで出し止めする。この使い方を家族全員が理解していないと、便利さより戸惑いが先に出ます。

高齢のご家族がいる場合など、操作をなるべく一つに統一したい家庭では、導入前に一度話し合ってみてください。

タッチレス水栓で後悔しやすい人の特徴

向き不向きがはっきり分かれる設備です。後悔しやすいのは次のタイプです。

水量や温度を細かく調整しながら使う人

弱い水を細かく調整しながら料理する方は、恩恵を感じにくいです。出し止めはセンサーでも、調整のたびにレバーを触るなら操作は減らないからです。

自分の料理のしかたを思い出して、「出す・止める」の回数が多いか、「調整」の回数が多いかで判断してみてください。

シンクが狭い・水栓まわりに物を多く置く人

誤作動への不満は、センサーの性能だけで決まりません。シンクの広さや物の置き方によっても変わるからです。

小さなシンクで大きな鍋をよく洗う、洗剤ボトルやスポンジラックを水栓の近くに置く、といった条件だと、慣れても意図しない反応が起きやすくなります。

故障時の修理費をできるだけ抑えたい人

設備はシンプルなほど壊れにくく、直すのも安く済みます。修理費を最優先するなら、普通のレバー水栓のほうが安心です。

逆に、生肉や粉を扱う料理が多い、汚れた手でレバーを触りたくない、こまめに水を止める習慣をつけたい、という方には毎日効く設備です。使い方が合う家庭では満足度が高いですよ。

タッチレス水栓で後悔しないための選び方

ここからは、後悔を減らす4つの選び方です。

停電・故障時の操作を確認して選ぶ

「停電しても全部レバーで使える」とは限りません。メーカーや機種、製造年代によって操作方法が違います。

たとえばLIXILのキッチン用ナビッシュは、停電やセンサー故障時にシンク下の手動弁を開けることで、レバーによる吐水・止水が可能になります。ただし停電時は浄水が使えません。(出典:LIXIL)TOTOのタッチレス水栓にも停電時の対応方法がありますが、機種によって手順が変わるため取扱説明書の確認が必要です。

引き渡しのときに、シンク下の手動弁の場所を家族全員で一度確認しておくのが現実的です。手動弁の前に鍋や洗剤のストックを置かないことも覚えておいてください。

センサーの位置と普段の動作で選ぶ

機種選びでは、センサーの性能だけでなくセンサーがどこに付いているかを見るのが重要です。上面・先端・側面・正面のどこにあるかで、普段の手の動線との干渉しやすさが変わります。

ショールームで一度動かすだけでは、誤作動のしやすさまでは分かりません。鍋を洗う、シャワーヘッドを引き出す、シンクを拭くといった普段の動作まで想定して確かめてみてください。

乾電池式か電源式かを設置条件で選ぶ

電源の方式は、好みより設置条件で決まります。

水栓だけを交換するリフォームでシンク下にコンセントがない場合は、乾電池式が現実的です。電源工事まで行うと費用も工期も増えるからです。コンセント新設は1〜3万円程度の追加になることがあります。

キッチン全体を改修するなら、基本的には電源式を勧めやすいです。コンセントを準備できるタイミングで、あえて毎年電池を交換する方式を選ぶメリットは少ないからです。

乾電池式で注意したいのは、電池代より交換作業です。シンク下の引き出しを毎回外さないと電池ボックスに触れない納まりだと、年1回でも意外に面倒になります。(LIXILの乾電池式は、1日100回使用で約1年が理論値とされています。出典:LIXIL)

機能を盛りすぎずに選ぶ

上位機種ほど満足度が高いとは限りません。現場感では、初めて付ける人には、センサー機能を絞ったシンプルな機種のほうが後悔しにくいと考えています。

たとえばナビッシュなら、「手を触れずに出し止めできればよい」という人には下位グレードのB5で話がまとまりやすいです。2026年4月時点のメーカー希望小売価格は、電源式B5が税別8万7,000円、乾電池式B5が税別9万7,000円(取付工事費別途)です。(出典:LIXIL)

洗い物を差し出すと自動で水が出るハンズフリー機能は、便利そうだから選ぶのではなく、本当に使うかを一度立ち止まって考えてみてください。

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水栓だけでなくキッチン全体の計画で比べる

タッチレス水栓の見積もりでは、「水栓交換一式」だけでなく、電気工事・既存水栓の処分・止水栓交換・穴加工まで含まれているかの確認が大切です。古い水栓を外した際に止水栓から漏れ始めるケースもあり、水栓本体だけの交換で済むと断定しないほうが安全です。

キッチンリフォーム全体でよくある後悔は、こちらでまとめています。

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まとめ|タッチレス水栓の後悔は「期待とのズレ」で決まる

タッチレス水栓で後悔しやすいのは、センサーの故障よりも「水量や温度まで自動で調整できると思っていた」という期待とのズレです。最後に要点をおさらいします。

・タッチレスでできるのは「出す・止める」。水量・温度はレバーで調整する
・誤作動は慣れで減るが、狭いシンク・物の多い水栓まわりでは残りやすい
・修理費は部品交換2〜5万円前後、本体交換7〜15万円以上が現場の目安
・停電・故障時の手動操作は機種で違う。引き渡し時に家族で確認する
・初めてなら機能を絞ったシンプルな機種のほうが後悔しにくい

タッチレス水栓は“全部自動の水栓”ではなく、“出し止めを触らずにできる水栓”です。そこが合う家庭なら、料理中の便利さは本物ですよ。

よくある質問にもお答えします。

Q. タッチレス水栓のデメリットは何ですか?

A. 水量・温度は結局レバーで調整すること、普通の水栓より修理費が高くつきやすいことです。誤作動は多くの場合慣れで減りますが、シンクが狭い家では残りやすいので、普段の動作を想定して選んでください。

Q. 停電のときは使えませんか?

A. 機種によります。シンク下の手動弁を開けてレバーで使える機種が多いですが、操作方法は製品ごとに違います。引き渡しのときに、家族全員で一度操作を確認しておくのが現実的です。

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